南太平洋で捕鯨船が巨大クジラに激突された。乗組員たちは手漕ぎボートに分乗し、3カ月近く漂流する。食糧が底をつき、空腹と狂気に苦しめられた彼らが生き延びるためにとった行動は・・・。小説『白鯨』の元になった実話は、さらに壮絶だった。

海で潮を吹くマッコウクジラ。エセックス号はマッコウクジラと衝突した。 Shutterstock (c) Eric Isselee(画像クリックで拡大)

外洋でのつらい仕事

 19世紀、捕鯨は生活に不可欠だった。鯨油はランプの燃料やろうそくの原料になり、鯨蝋はさまざまな薬に使われた。捕鯨は手堅く報酬を得られると同時に、きわめて苛酷な仕事だった。

 米国の捕鯨産業の拠点は東海岸のナンタケット島にあったが、最も豊かな漁場は南太平洋。男たちは大西洋を南下し、南米最南端のホーン岬を回る1万2000キロの困難な旅を経て、やっと仕事に取りかかるわけである。捕鯨船エセックス号がナンタケット島を出発したとき、これから2年半は家族に会えないことを男たちは承知していた。

本当にあった 奇跡のサバイバル60

 岩に挟まれた自分の腕を切り落として脱出した登山家、8年間地下室に監禁された少女、ヒッチハイカーを乗せたら身ぐるみをはがされて不毛の荒野に放置された男、難破した船上でくじ引きで負けた仲間を食べて生き残る男たち……。
 絶体絶命の危機から生還した驚異のエピソードを60本収録しました! 『大脱走』『127時間』『キャプテン・フィリップス』など映画や小説になった逸話も多数あります。写真や図解、地図もたっぷり掲載、当時の報道や脱出ルートがひと目でわかり、現場に居合わせたかのような臨場感を味わえます。

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