第69回 ハチドリは、蜂よりも蛇よりも蛾に似ている

 ぼくはダニ! え、鳥ではないかって?
 写真の中におります。さて、どこでしょう? 答えは次のページに。

 というわけで今回はダニの話・・・、ではなく、前回に引き続きこの鳥、ハチドリの話です。全部で6種のハチドリの写真を掲載しているのでお見逃しなく!

 さて、世界で一番小さい鳥として知られるハチドリ。生息するのは南北アメリカ大陸で、アラスカにも南米の南の方にもいるけれど、たくさんいるのは中南米。あのペルーのナスカの地上絵にも描かれている。 

 日本語でハチドリと呼ぶのは、予想通り昆虫のハチ(蜂)の羽音に由来する。英語名ハミングバード(Hummingbird)も、ハミングには「ブンブン音をたてる」の意味があるから同じような感じだ。

 ではコスタリカで話しているスペイン語ではどうかというと、ハチドリを「コリブリ(colibrí)」と呼ぶ。コスタリカ人の友達カルロスによると、「もしかするとラテン語のヘビ(colubris)に由来するかもしれない」とのこと。かつてヨーロッパからカリブの西インド諸島に移り住んだ人たちが、この「すばしっこくなわばり意識が強い、ちょっと攻撃的な鳥たちのことをヘビと照らし合わせたのかもね」と言う。
 前回、ハチドリがヘビっぽい仕草をすることを紹介したけれど、昔の人もハチドリにヘビを感じたのだとしたらとても面白い。

日本のホウジャクに似たスズメガAellopos ceculus。前翅の長さは20 mm。
バルビージャ国立公園、コスタリカ

 ところで、ぼくがハチドリを見ていつも思い浮かべる動物は、実はハチでもヘビでもない。蛾(ガ)だ。
 スズメガの仲間のホウジャクやオオスカシバは、ハチドリより少し小さめだが、ホバリングしながら花の蜜を吸うところがそっくり。コスタリカにもよく似たガが何種かいて、昼間に飛び回っている。

 「ハチドリ」ならぬ、「ヘビドリ」?「ガドリ」?
 
・・・「やっぱり、ハチドリがええわ~(笑)」



次のページで写真クイズの答えと、ほか3種のハチドリを紹介します。

クロスジオジロハチドリのオス(左)とムラサキケンバネハチドリのオス(右)
A male Stripe-tailed Hummingbird, Eupherusa eximia and male Violet Sabrewing, Campylopterus hemileucurus
どちらも翼を猛スピードで羽ばたかせているにもかかわらず、胴体がぶれていない。ハチドリは1秒間になんと50回以上羽ばたく。ハトが5回ほど、スズメが10数回だから、スゴイとしか言えない。ぼくも腕を羽ばたかせてみるが1秒間に5回が限度だ。
体長:それぞれ約10 cm と 15 cm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)
吸蜜と排泄中のクロスジオジロハチドリのオス
A male Stripe-tailed Hummingbird, Eupherusa eximia, feeding on and voiding
風が強く小雨が舞う中でも、突然姿を現し、せわしなくナガボソウ(Stachytarpheta frantzii)の花の蜜を吸う。次の瞬間、おしっこをした。よく見ていると、頻繁におしっこをしている。
体長:約10 cm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)