第68回 ハチドリとヘビの意外な共通点は?

 ハチドリというと、日本のみなさんには「珍鳥」かもしれない。でもコスタリカでは、日常的に見かける鳥。

 なかでもぼくが住んでいるラボの周辺で最もよく出会うのが、写真のフジノドシロメジリハチドリ。前回、庭先の花の蜜を吸っているところを紹介したハチドリだ。

 外で昆虫の観察をしていると、「ブルルルルルルルッ」と、ぼくを「観察」するかのように、周りをしばらく飛ぶことがある。オートバイのエンジン音を小さくしたような羽音が、やさしく耳の中に飛び込んできて心地よい。

 なわばり意識が強いのか、オス同士が追っかけ合いしていることも多い。「チュルルルルルッ、チュルルルルルッ」と鳴きながら猛スピードで飛ぶので、その動きを目で追うのがやっとだ。

 花の蜜を吸い終わると、近くの薄暗い茂みに入って枝に止まり、キョロキョロあっちを向いたり、こっちを向いたり、足で頭をかいたり、羽繕いをしたりしている。

 羽繕いの合間には、くちばしを「アヒル」のように軽く開いて、そこから白くて長い舌を出したりひっこめたりもする。ヘビが舌をチョロチョロ出すような仕草だ。きっと花にくちばしをつっこんでいるときも、こんな風にチョロチョロと蜜をなめているのだろう。

次のページで、メスと巣と卵を紹介しよう。

フジノドシロメジリハチドリ(アマツバメ目:ハチドリ科)のオス
A male Purple-throated Mountain-gem, Lampornis calolaemus
ニカラグアの南西部からパナマの西側の裾野から高山にかけて生息。コスタリカでは、カリブ海側の標高1000~2500 mでよく見かけられる。
体長:約10 cm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)
フジノドシロメジリハチドリのオスの特徴は、メタリックな紫色した喉の部分と頭のトルコ石色(ターコイズ)。見る角度と羽毛開き具合によって、見える色がぜんぜん違ってくる。(写真クリックで拡大)