第1回 古代の人々があこがれた「世界の七不思議」

 「世界の七不思議」という言葉はみなさんご存じでしょうが、どんなものか具体的に知っている方は、意外と少ないかもしれません。日本語には「不思議」と訳されていますが、実は本来は「必見のもの」という意味。古代ギリシャや古代ローマの人々が、一生に一度は自分の目で見てみたい!とあこがれていた巨大建造物の数々で、謎やミステリーではないのだそうです。

 実際、古代の世界の七不思議は、現在のエジプト、トルコ、ギリシャ、イラクと、すべて地中海世界にありました。古代地中海世界の人々は、一生に一度だけの旅をしに、これらの旅先を訪れていたのでしょう。現存するものは少ないですが、かつて七不思議があった場所を訪ねれば、人々を魅了しつづけてきた秘密がわかるかもしれません。そこで今回は、古代の世界の七不思議があった旅先から5カ所を紹介します!

1. ギザの大ピラミッド(エジプト)

古代の世界の七不思議のうち現存しているのは、エジプト、ギザの大ピラミッドのみ。最大のものは紀元前2055年頃に造営された、クフ王のピラミッドだ。
写真:sculpies/Shutterstock(写真クリックで拡大)

 七不思議のうち現存しているのは、エジプト、カイロ近郊にあるギザの大ピラミッドのみ。最大のものは、第4王朝の紀元前2055年頃に造営されたクフ王のピラミッドで、元々の高さは150メートル近くと、東京タワーの大展望台と同じくらいです。4000年以上前にそんなに高い建造物を造ったというのですから、驚きです。

2. アレクサンドリアの大灯台(エジプト)

 同じくエジプトの地中海に面した港町、アレクサンドリア。港近くの小さな島ファロスに、紀元前3世紀頃建造された大灯台が、2つめの七不思議。アレクサンドリアは幾度となく大地震に見舞われ、大灯台も8世紀には半壊、14世紀には全壊してしまいました。ここでダイビングをすれば、大灯台の土台といわれる石灰石の遺構を見学できます。

3. ハリカルナッソスのマウソロス霊廟(トルコ)

トルコの南西部、エーゲ海沿いにある港町、ボドルム。町を見渡す丘の上に、七不思議の1つ「マウソロス霊廟」の遺跡が残る。
写真:Olimpio Fantuz/SIME(写真クリックで拡大)

 陽光が降りそそぐトルコのエーゲ海および地中海沿岸は、ターコイズ・コーストとも呼ばれ、岩がちな海岸線が600キロほど続きます。その南西端にある港町ボドルムを見渡す丘の上には、七不思議の1つ「マウソロス霊廟」がありました。しかし、この町も度重なる地震に襲われ、15世紀には現在と同じように、土台のみを残すだけとなっていたといいます。

4. ロードス島の巨像(ギリシャ)

 エーゲ海南部に浮かぶロードス島。その北端にあるロードスの港には、かつて50メートルに及ぶ巨像があったといわれています。戦勝を祝って紀元前3世紀に建造されましたが、完成してから60年も経たないうちに、地震で倒壊。7世紀には残骸もなくなりました。町の高台から港を一望すれば、巨像の大きさを実感できます。

5. オリンピアのゼウス像(ギリシャ)

 オリンピックの聖火がともされる、オリンピアの町。ここにはかつて巨大なゼウス像がありました。紀元前5世紀頃に建造されたゼウス神殿の奥にあり、高さ12メートルの座像だったといいます。しかし、4世紀にコンスタンチノープル(現在のトルコ、イスタンブール)に移され、以後どうなったかはわかりません。オリンピアの古代遺跡を訪ねれば、往時の繁栄を感じられます。

 「世界の七不思議」のエピソードや旅のヒント、見逃せない最新ベストスポットなど、プランを立てるときに役立つヒントは、『一生に一度だけの旅 極上の世界旅行』をご覧ください!


『一生に一度だけの旅GRANDE 極上の世界旅行[新装版]』(マーク・ベイカーほか著、関利枝子、北村京子訳、日経ナショナル ジオグラフィック社)

旅のアイデア集「一生に一度だけの旅」シリーズに、広く開いて読みやすい「GRANDE」が新登場。洗練された大人にふさわしい上質な一冊を目指し、美しい写真と、本の造りや文字の大きさといった読みやすさを追求しました。旅のプロが厳選した、これぞ“世界旅行の王道”という珠玉の旅先400カ所以上を、たっぷり紹介しています。

ナショジオストア アマゾン 楽天ブックス