第5章 1956- 第二期黄金時代からさらなる挑戦へ

第27回 実はボツ写真だった史上もっとも有名な「アフガンの少女」

創刊125周年記念特別号の2013年10月号。表紙に「アフガンの少女」が使われたのはこれで3度目です。2度目の表紙は次のページでどうぞ。(写真クリックで拡大)

「ナショナル ジオグラフィックの写真家たちが追い求めるのは、そうした「歴史的瞬間」ではない。読者の心に最も深く刻まれた1枚は、歴史上の大人物の写真でも、大事件の写真でもない。それは1984年、写真家のスティーブ・マッカリーがパキスタンの難民キャンプで出会ったアフガニスタンの少女の写真だった」(『ナショナル ジオグラフィック日本版』2013年10月号特集「写真の力」より)

「アフガニスタンの少女」とは、この創刊125周年を記念する特別な号の表紙にもなっているアフガン難民の12歳の女の子です。ソ連軍の爆撃で両親を失い、祖国を追われ、どこか怯えているようにも見えながら、でも、何かを強く訴えかけるとても印象深い緑色の目をしています。

 1985年6月号の表紙にはじめて使われて以降、さまざまなメディアで何度となく使われているので、目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。『ナショナル ジオグラフィック』の表紙には2度ならず3度も使われています。そんな写真はこれだけです。ちなみに、本連載の第1回でも紹介いたしました(最初の表紙は第1回でご覧ください)。

 米国では「アフガン・ガール(Afghan girl)」というニックネームまでつき、ナショジオ史上、もっとも有名と言われるこの写真。素晴らしい1枚であることに異論はないでしょう。

 ところが、この写真はいったんボツになっていました。