第8回 ベツレヘムの飾り帽子(1925年)

 はにかむようにうつむく少女の頭には、コインやビーズ、刺繍で飾られた帽子がのっています。中東のパレスチナ、ベツレヘムの伝統的な頭飾りです。

(c) JULES GERVAIS COURTELLEMONT/ National Geographic Stock(写真クリックで拡大)

 まるで小さなバケツをひっくり返したような形はベツレヘム独特のもの。同じパレスチナの頭飾りでも、たとえばラマッラーでは平たいものだったりと、地域が変われば形状はまた変化します。上着にほどこされている刺繍は、ベツレヘム地域に受け継がれてきた伝統の装飾で、たいへん美しいことで知られています。

 写真集『100年前の写真で見る 世界の民族衣装』59ページでは、同じバケツ形の帽子の上からベールをかぶった、パレスチナの女性の姿を見ることができます。記録によれば、既婚女性はベールで帽子をおおい、頭の部分を高くとがった形に見せていたそうです。

 この写真は「ナショナル ジオグラフィック」1925年11月号の特集「太陽に彩られた近東の風景」に掲載されました。

 次回は、北海道からアイヌ男性をご紹介します。




 この連載の写真は、下の写真集に収録されています。

『100年前の写真で見る 世界の民族衣装』(ナショナル ジオグラフィック編、日経ナショナル ジオグラフィック社)

ナショナル ジオグラフィックの貴重なアーカイブから、およそ100年前の世界の人々の服装を紹介。Tシャツとジーンズに駆逐される以前の、リアルな日常服としての民族衣装を212点収録。

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