第3回 カフカス地方の眉毛美人(1913年)

 「ナショナル ジオグラフィック」1913年10月号に掲載された、南ダゲスタンの女性の写真です。

(c) GEORGE KENNAN/ National Geographic Creative(写真クリックで拡大)

 ダゲスタンとはあまり聞きなれない場所ですね。現在のロシア南部、黒海とカスピ海に挟まれたカフカス地方に位置しています。

 美しい布の伝統的衣装を身につけ、金や宝石で身を飾っています。暮らしぶりも豊かだったのでしょう。

 と、衣装のことを書きましたが、なんといっても目を引くのは眉毛。くっきりと太く、両方の眉をつなげています。女性自身の美しさもあいまって、まるで眉のつながった自画像を描いたフリーダ・カーロのようです。

 ところで眉毛をつなげる化粧方法は、いまでも世界各地に見られます。中央アジアの国(タジキスタンやウズベキスタンなど)やイランでは美人の条件とも言われているそうです。イランの前身であるペルシャでは、細密画に眉毛のつながった美人が多く描かれていました。ペルシャ帝国は最盛期には中東、中央アジア、カフカスを版図におさめていましたから、そうしたつながりが現代にまで残っているのかもしれません。

 次回はポーランドの花嫁をご紹介します。




 この連載の写真は、下の写真集に収録されています。

『100年前の写真で見る 世界の民族衣装』(ナショナル ジオグラフィック編、日経ナショナル ジオグラフィック社)

ナショナル ジオグラフィックの貴重なアーカイブから、およそ100年前の世界の人々の服装を紹介。Tシャツとジーンズに駆逐される以前の、リアルな日常服としての民族衣装を212点収録。

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