第5章 1956- 第二期黄金時代からさらなる挑戦へ

第23回 深海生物の“世紀の発見”です!(動画あり)

 この夏は深海がアツいですね。国立科学博物館の深海展、NHKの番組をはじめ、各所でいろいろと盛り上がっているようですが、深海といえば忘れちゃいけないのが『ナショナル ジオグラフィック』。1930年代の世界初の有人深海調査からジャック・イブ・クストー、去年のジェームズ・キャメロン監督のマリアナ海溝ダイブまで、ナショジオがずっと支援してきたことはこの連載でもお伝えしてきたとおりです。

 その長い歴史のなかでもっとも有名な発見といえばタイタニック号でしょう。発見された1985年以来、『ナショナル ジオグラフィック』がたびたび特集が組み、キャメロン監督はわざわざ潜水艇で見に行って映画づくりの参考にして、沈没から100周年を迎えた2012年4月号にも特集「タイタニック 沈没の真実」を掲載しました。

 でも、もっとも「重要」な発見といったらなんでしょうか。

 それは1977年におけるガラパゴス沖の「熱水噴出孔」とそれにともなう「化学合成生物群集」で決まりしょう。実際に、シーラカンスと化学合成生物群集は20世紀の海洋生物学における最大の発見と言われています。つまり、世紀の発見です。

 化学合成生物群集は、チューブワームとかシロウリガイのように、光合成に頼ることなく、硫化水素などの化学物質をエネルギー源とする生きものたちです。つまり、それ以前には知られていなかった「まったく新しい生態系」であり、深海生物の本格的な研究はここから始まったといっても過言ではありません。もしもこの発見がなかったら、今年の深海展もダイオウイカの番組も、そして、青春を深海に賭ける人も存在しなかったのです! そうだったのか!!