File5 実はヤバい永久凍土 飯島慈裕

第2回 永久凍土が解けて、森が枯れる理由

シベリアで永久凍土を研究するJAMSTEC飯島慈裕さんの2回目。ここ数年にわたり雨や雪が増えた結果、シベリアの森が枯れていることに気付いた飯島さんは、人海戦術でその原因解明に乗り出しました。(写真:田中良知)


前回の復習。北米側に高気圧、シベリア側に低気圧が居座った結果、北極海の海氷が風で流されたり、シベリアに雨を降らせたりしている。(提供:飯島慈裕)(画像クリックで拡大)

 北極周辺の気圧配置が変化している。
 それによって北極から大西洋に向かう風が吹き、海氷を流し、その結果、北極海の海氷が減っている。
 北米の永久凍土では、凍土融解と少雨が重なり、水不足で森林が枯死している。

 わからないのは東シベリア。
 多雨であるにもかかわらず、森林の枯死は増えている。

 その謎を解いたのが、JAMSTECの飯島慈裕さんだ。
 飯島さん、いったいどうなっているのでしょう? そこに永久凍土は、どう関係しているのでしょう?

雨降って、凍土解ける

「季節を分けて考えましょう。まず、冬です。雪は積もると、布団のような役割を果たします。雪が少なければ布団は薄く、雪が多ければ布団は厚いというわけです」

 なるほど。

「冬は大気がマイナス50℃くらいまで冷えるので、布団が薄いと、地面からどんどん熱を奪っていきます。逆に、布団が厚ければ、断熱効果によって、地面の温度はあまり下がりません」

 ということは、凍土は融解が進む。雪が多いと、凍土は冷えないのだ。

飯島慈裕(いいじまよしひろ)さん。(写真クリックで拡大)