第3回 次の「未知の人類」もアジアから発見される!?

 ホモ・フロレシエンシスという非常に魅力的な2万年前の人類をめぐる論争を、海部さんの目を通して素描した。

 それにしても、この化石人類は、「ホビット」という愛称に留まらず、とことん興味深い存在だ。もしも、ホモ・ハビリス由来説が正しければ、人類の「出アフリカ」の歴史が書き換えられる。一方、海部さんたちが信じるようにジャワ原人が祖先だとすると、人類進化は従来思われていたよりも可塑性に富み、島嶼という環境で矮小化した示唆に富む実例となる。

 そして、想像してみよう。

 本当に小さな人類だったホビット、ホモ・フロレシエンシスは、どんな存在だったのか。フローレス島でどんな暮らしをしていたのだろうか。

人類進化の展示は「地球館」のB2Fにある。(写真クリックで拡大)

 国立科学博物館には、フローレス原人を身長110センチメートルとして復元した模型がある。立体データをもとに3Dプリンタで出力した頭骨のレプリカもあるから、それとあわせて見て、まずはサイズ感覚をイメージする。トールキンの作品を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』に登場したホビット族とまさに符合する大きさだ。

 そして、彼らがどんな生き物と一緒に暮らしていたのかも考えてみよう。展示には、その頃のフローレス島に生きていた主立った動物も再現されている。

 海部さんは「みな実物大ですよ。ゾウも鳥も」と強調した。