第1回 人類進化の「常識」を覆した“小さな巨人”、フローレス原人

今回の主役、フローレス原人。身長は1メートルほどの小ささだった。国立科学博物館の展示より。(写真クリックで拡大)

 上野の国立科学博物館に、海部陽介研究主幹(人類研究部)を訪ねた。

 今から2万年ほど前までインドネシアのフローレス島で生きていた、小型の人類「フローレス原人」の最新の研究成果について興味があった。海部さんは、東京大学の久保大輔さん、国立科学博物館の河野礼子さんとともに、今年の4月にフローレス原人をめぐる論争に一石を投じる研究結果を発表したばかりだ。

 その論争について語るには、ある程度、人類進化の通説を復習しておいたほうがいい。その方が、論争の争点がより的確に見えるだろう。フローレス原人にかぎらず、最近の人類進化をめぐる研究の展開についてもお話を伺いたいと思っていたのでなおさらだ。

 そこで、海部さん自身が監修した映画『人類の旅』を見せていただいた。「シアター36○」といってプラネタリウムの技術を用いた全天球型スクリーンの映画だ。視界すべてどころか、自分が立っている足場を除いて全球が映像に覆われるので、迫力・臨場感があり、画面が大きく動くと無重力感をいだくほどであった。

 映画の中で述べられていた要点をまとめると──