第12回 寝過ぎもダメ!なこれだけの理由

 8時間睡眠が理想、というのはよく聞く俗説。体内時計25時間説が、過去の研究で正当だった時代があるのに対して、こちらはなぜそう言われるのか三島さんも知らないという。睡眠についての既存の教科書にもそのようなことは書いていない。しかし、なぜか「もっともらしい話」として流通してきた。

 それに対して、現在の睡眠学の常識は、「必要な睡眠時間は年齢によって違い、また、同じ年齢でも個々人によって違う」だ。たとえば8時間睡眠がしっかり必要で、なおかつそれくらい眠ることができるのは10代なかばくらいまでで、40代で7時間台の前半、70代になると正味6時間くらいが平均だそうだ。そして、くどいようだが、平均はあくまで平均で、それを中心に個々人の違いがある。

 結局、我々は、個々人として、何時間くらい眠るのが適切なのだろうか。

 実は、人がどれだけ眠っているかという研究はたくさんあって、それらを年代別に見ていくと、相当ばらつきはあるにせよ「平均」についてはある程度分かる。

 とはいえ、こと自分自身の睡眠については、平均では語れない。

 では、自分のある日の睡眠が良いものだったかどうか、測る客観的な尺度はあるのだろうか。

3つのパートにわかれたグラフのうち、左半分は若者(Young adult)とシニア(Elderly)の睡眠パターンの違い。「SWS(Slow Wave Sleep)」は「徐波睡眠」=「深睡眠」のこと。右上のグラフは横軸が年齢、縦軸が時間(分)で、年齢ごとにどのタイプの睡眠をどれだけとったかを示している。あくまで平均値だが、8時間以上眠るのは15歳ぐらいまでであることがわかる。右下の「睡眠効率」は「総睡眠時間/床上時間(消灯から起床まで)」。つまり、年をとるほど布団のなかで目が覚めている時間が長い傾向がある。(画像クリックで拡大)

『朝型勤務がダメな理由』
三島和夫著

50万ページビュー以上を記録した「朝型勤務がダメな理由」をはじめ、大人気の本連載がついに書籍化! こんどこそ本気で睡眠を改善したい方。また、睡眠に悩んでいなくても自分のパフォーマンスを向上させたい方は、確かな知識をひもとく本書でぜひ理想の睡眠と充実した時間を手に入れてください。『8時間睡眠のウソ。』を深化させた、著者の決定版! アマゾンでのご購入はこちら