第5回 雪に慣れない都市部に潜む雪害のワナ

 研究所を訪ねて東京に帰った翌日、2013年、最初の雪が降った。

 所用があったため、ふりしきる雪の中を難儀して歩いて駅まで行くと、なんとか列車は動いていた。ただ、のろのろ運転でいつも15分で到着するターミナル駅まで30分くらいかかった。ふだん雪になれていない東京は、実に雪に弱い。

 電車だけでなく、人も雪になれていない。

 ぼくが歩いている目の前で、何人かが滑って転んでいた。

 テレビ局に勤務していたことがあるので知っているのだが、テレビの報道局では「滑る名所」のようなものが、代々申し伝えられていて、雪の日や翌朝など、出勤ラッシュの前から張り込んで映像を撮ろうとする。そして、カメラマン自身も滑ったりする。

 これは、雪国出身の人から見ると、非常に滑稽でもあるようだ。しかし、危険でもあって、この初雪では、関東だけでも400人ほどが転倒で怪我をしたというニュースを見た。また、同日、東北地方で雪下ろし中に転落して亡くなった方もいたから、やはり、屋根雪問題というのは、とてもシビアなことなのだとあらためて認識した次第。

 では、ふだん雪慣れしていない地方に雪が降った場合、ぼくたちはどんな注意をすればいいだろう。たとえば、転倒ひとつとっても、雪国の人はそう簡単には転ばないらしい。佐藤さんも言っていたし、知人の雪国出身者もなぜあんなに転ぶのかと不思議がる。

 ではどうすればいいのか。