第1回 世界一の「豪雪国」、日本の現実

研究室の壁に新聞記事の切り抜きが貼られていた。雪氷災害は雪国ではとても身近な問題だ。(写真クリックで拡大)

 その分、雪にまつわる事故も多くなる。

「豪雪による私たちの社会の損失……、人的被害についていいますと、公式な数字を消防庁が集計して出したものが、防災白書なんかに出るんです。それだと、大体毎年100人前後は、雪でなくなってます。ただ、それには交通事故が入ってないんですよ。当然、雪国だとスリップしたり、あるいは吹雪なんかで前が見えなくなってぶつかる事故もあるので、そういう場合も拾うと、大体倍ぐらいになると見ています」

 平成18年豪雪では、152名が犠牲になった(佐藤さんの説明にあったように交通事故含まず)。この災害規模は、夏場に西日本で特に多くなる豪雨・台風による被害などと規模的には似ているかもしれない。台風の場合、1959年の伊勢湾台風のように数千人の人的被害を出した例もあるが、近年は幸い(というか不幸中の幸い)そこまでの大災害には発展していない。

 さて被害の内訳はというと、「日本固有の事故」によるものが多いそうだ。

「屋根の雪下ろし、除雪中の事故なんです。屋根に上がって、滑って落ちてとか、あるいは雪下ろしをしようとして梯子で登りかけて、それが滑って倒れてですとか。屋根からの落雪の直撃を受けて、下敷きになって亡くなることもある。こういうケースだけで全体の4分の3になるんです。家屋の倒壊は、平成18年豪雪の時には50棟弱でしたが、それによる死者は6名でした。あと、雪崩が少し。例えば、同じ年、秋田県の乳頭温泉の雪崩で人が亡くなっています。去年、平成24年の豪雪ですと、同じ秋田、玉川温泉での雪崩がありました。それらは統計には入っているんですが、登山者が山で雪崩に巻き込まれた、というような場合はカウントしていないんですね」