第1回 世界一の「豪雪国」、日本の現実

佐藤威雪氷防災研究センター長。(写真クリックで拡大)

「人口が多いところで、これだけの量の雪が降る地域は、世界的にみてもほとんどないんです。地球全体見渡しても、5大湖の沿岸ですとか、カナダとアメリカの国境あたりの山岳部とか、あるいはスカンジナビアの西側とか……でも、やっぱりこれだけの人が住んでるところで大量の雪が降るというのは、日本だけですね。だから、色々、日本固有の事故の問題も起こってくるんですが……」

 日本固有の事故の問題というのは後で戻ってくることにして、世界的にも希な、人口が多い降雪地帯としての日本とは、どんなふうなのだろう。

「国の基準で豪雪地帯とか特別豪雪地帯という区分けをしてるんですよ。基準にてらして、おたくの市は豪雪地帯に入ってますよと。それによると豪雪地帯は、日本全体の大体50%ぐらい、19万平方キロメートルです。ただ人口は、やっぱり人口密度が低いもんですから、2000万人くらいで、総人口の15%ぐらいですかね」

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 人口密度が低いとは言っても、ここは日本。世界の豪雪地帯に比べたら、人口稠密(ちゅうみつ)なのだそうだ。ちょっと調べると分かったのだが、たしかに世界の都市で日本の豪雪地帯ほど雪が降るところは珍しい。1年に降る雪の量は、100万人を超える大都市では、カナダのモントリオールの積雪が多く、年間平均2メートルを超えるが、日本の札幌市では6メートル超、新潟市では2.5メートル超だ。新潟市は雪国の中ではそれほど降らない(しかし、豪雪地帯には区分されている)と聞いていたので、日本の雪がいかに多いか物語っているように思える。

「豪雪地帯」は、「積雪積算値」の平年の値が50メートル以上の「豪雪地域」に、主要な交通機関が通っていたり、自治体における「豪雪地域」がある割合を超えたりなど、一定の要件を満たす場合に指定される。「豪雪特別地域」はさらに雪が深く、しかも、交通や医療、財政など、雪による生活の支障が著しい地域で、指定基準がより厳しく設定されている。なお、「積雪積算値」は、毎日測る積雪の深さ=「積雪深(cm)」の値をひと冬の間足したもの。仮に積り始めの12月半ばから解け終わりの3月半ばまで、90日間の積雪の深さが毎日変わらず100cmだとすると、積雪積算値は100cm×90日=9000cm日となる。このように、積雪深が大きいほど、また、積雪日数が多いほど積雪積算値は大きい。
(画像提供:全国積雪寒冷地帯振興協議会)(画像クリックで拡大)