「シフト勤務ですとかフレックスタイムですとか、中には時間がまったく一定しない職種ですとかいろいろありますが、実は、ある人に眠りやすい時間というのはかなり固定されているんです。非常に宵っ張り型の人から早寝早起き型の人まで、ほぼ遺伝的に決定されてるものなんですよ。体内時計に関係することでその体内時計自体、遺伝子によってかなりきちんと制御されていると分かっているんです。横綱、関脇級に大きな影響がある遺伝子が10と幾つか特定できていまして。ほら、私達の中で体内時計はよく25時間とかいわれてますでしょう。でも、あれは嘘なんですよ」

 たしかに、体内時計は25時間であるという話は聞いたことがある。今、ウェブで検索すると、まことしやかにそう書いてあるサイトがある。ただ、これは、今の知見では否定されているというのだ。実は、ぼくは三島さんとの対話の中で、いくつも俗説が単なる「神話」だと知らされることになるのだが、第1弾がこれだった。

「体内時計の1日の周期の平均は、実は24時間10分(※)で、24時間にかなり近いんです。ただ、これも平均より長い人も短い人もいて、やはり正規分布しています。ですので、とりわけ24時間に近い体内時計を持ってる人は、毎日苦労しなくてもおなじ時間に眠たくなって、目覚ましなしでも起きられるわけです。でも、体内時計が長い人は、ちょっと気を抜くとどんどん夜更かしのほうにずれていってしまう。だから、もともと苦労しないでも寝起きができる人と、なんとかカツカツで体内時計の調整してる人がいるんですよ。逆に体内時計の周期が短すぎてひどく早寝早起きになってしまって、社会生活上困るという遺伝病もあります」

※当初、24時間11分と掲載いたしましたが、それはアメリカのデータでした。申し訳ございません。お詫びして訂正いたします。

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る