第16話 マウント・デナリは女性? 男性?

 冬のはじまりというのは、天気がとても不安定である。

 風が強く、青空が見えていたかと思うと、すぐにも厚みのある雲が張り出してくる。

 人工的な高い建物もなく、どこまでも遠く見渡せるようなこの場所では、雲の流れはとても劇的で面白い。

 とは言っても、林の間から木枯らしが吹いてくると、風の当たり方が強くて、一段と寒く感じるのだった。

 こんな日は、ユーコンストーブの前でぬくぬくと、ゆっくりと本でも読みたい気分なのだが、スティーブが湖の冬支度をすると言うので、ついて行くことにした。

 もうすぐ、湖が凍りはじめるために、夏の間に設置していたボート用の浮き桟橋を撤去するのだ。

 豊富な貯水量を誇る雄大なミンチュミナ湖も、冬には完全に結氷する。

 そうなれば、いよいよ犬橇の季節の始まりである。

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