第54回 今どきよりも伝統がお好き?イギリスのおやつ事情

 ちなみに、2段重ねケーキは、30、40年前には流行のケーキとして「ガトー・ケーキ」と呼ばれていたのだそう。ガトーとはフランス語でケーキのこと。当時としては気取ったネーミングだったのだろう。

 ガトー・ケーキの話を聞いて、イギリスのお菓子にも流行り廃りがあるのかと思ったのだけれど、どうやらそうではないらしい。とにかくイギリス人は、流行を追わない人々のようなのだ。

 例えば、日本では今や地方のケーキ屋でもごく普通に売られているマカロン。イギリスのお隣の国フランスのお菓子だが、「イギリスでは、ようやくお洒落なお菓子として名前が知られるようになってきたような状況です。田舎の人は未だに名前も聞いたことがないという人がほとんどですね」と山口さん。日本人のように、自分から積極的に新しいお菓子を探し出したり、食べてみようという人は少ないのだ。

 お菓子のレシピも“伝統”に忠実らしい。日本人は大福にいちごを入れてみたり、マンゴーを入れてみたりと、昔ながらのお菓子でも新しいバリエーションを作ってみようとするが、イギリス人はそんなことはしない。 「昔から伝わるお菓子を、そのまま繰り返し繰り返し作るんです。料理研究家にもその傾向がありますね」と山口さんが説明してくれる。伝統を重んじるイギリス人の気質が、どうやらお菓子の世界にも表れているようだ。

イギリス人はビスケット好き。様々なビスケットが入ったこんなお菓子の缶もよく見かけるそう(写真クリックで拡大)
キャロット・ケーキ(左)とコーヒー・ケーキ(右)。ボリューム満点!(写真クリックで拡大)

隊員のおやつなつぶやき