第54回 今どきよりも伝統がお好き?イギリスのおやつ事情

  「この地域のクリームはねっとりとしていて、(甘くはないけれど)濃厚なアイスクリームを更に濃くしたような味わいがあります。でも、バターのように胸やけはしないし、とにかく美味しいんです」と山口さん。日本では食べられないのが、とても残念だ。

 一方、家で食べるおやつはビスケットや、コーヒー・ケーキ、キャロット・ケーキといった2段重ねのスポンジの間にクリームを挟んだような素朴なケーキが定番(次ページ下の写真をご覧あれ)。または、オートミール(雑穀を加工したもので通常は牛乳などで煮ておかゆ状にして食べる、イギリスではポリッジ・オーツと呼ばれる)をハチミツやバターなどと混ぜて焼いた「フラップ・ジャック」というお菓子が人気だという。

 「ビスケットは特にポピュラーで、お昼前にちょっと休憩するときなどに、よく紅茶やコーヒーと一緒に食べたりしますね」。確かに日本の輸入食材店で見かけるイギリス菓子というとビスケット類が多いけれど、そんな背景があったんですね。

 「驚いたのは、ティールームなどは別として、家や友達の家でコーヒー・ケーキなどを食べるときは、大人もフォークを使わず手で食べるんです」と山口さん。「日本のお饅頭と一緒の感覚なのかもしれないですけれど」。大人も子どもも、2段重ねの大きなケーキを手で持ちながら頬張っている様子を想像すると、ちょっと微笑ましい。

 こうしたケーキは食事の後のデザートとして出されることはなく、あくまで食間に食べる「おやつ」だということ。確かに、食後のデザートとしてはボリュームがありすぎるかも。

イギリスのあるティールームのクリーム・ティーのセット。クロテッド・クリームは、マーガリンぐらいの硬さのクリームだ(写真クリックで拡大)

隊員のおやつなつぶやき