第5回 ゴリラをめぐる、ぼくの幸せな瞬間

 ぼくは結局、3日間連続で違う群れの「観光ゴリラ」を訪ねた。

 本当は研究ゴリラを訪ねたかったのだが、3週間の検疫期間(入国して、なにかの病気を発症しないこと)を経ないと許可が下りない。今の生活の中でそれを実現するのは無理なので、観光ゴリラ以外の選択肢はなかった。

自分の受け持つ観光客がどのグループに入るか、旅行会社の担当者が国立公園のガイドと相談して決めている。(写真クリックで拡大)

 さて、観光ゴリラとして公開されているのは8つの群れで、1日に8人までの参加が認められている。毎日、最大で64人の観光客が山に入る。観察時間は1時間と決まっている。

 3日間でぼくと同じ組になった人たちは、イギリスやオランダ、アメリカからの裕福な中高年のグループ、新婚旅行中のカップル、そして、雑誌の取材で来ている人たちなどだった。日本人もツアーとして毎年100人前後は訪れているらしい。ガイドの中には流暢に「こんにちは」「ありがとう」と話す人もいた。

 ゴリラトレッキングは本当に人気があり、わざわざ来たものの参加枠が埋まっており参加できない人は多い。それどころか、オーバーブッキングで参加出来ず、泣き崩れる人すらいるという。そんなときくらい柔軟にやればと思うのだが、ルワンダの観光当局は、頑なに1群れ8人までというポリシーを守っている。

 背景にあるのは、ダイアン・フォッシーから始まるゴリラ研究と保護の伝統だと聞いた。

2017年9月号

本誌2017年9月号ではダイアン・フォッシーにまつわる特集「彼女が愛し、守ったゴリラたち」を掲載しています。
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