第4回 ゴリラにみる「イクメンの起源」

フィールドで調査中のステイシー。(写真クリックで拡大)

「やっていることといえば、見た目はウィニーと同じ。朝、山に入って、その日の群れを4時間追いかけて、行動を記録して、糞や尿を採集して、帰ってきたらサンプルを処理したり、記録をコンピュータに吸い上げたり」

 本当にフィールドでの活動は、ウィニーとほぼ同じだ。

 わずかな違いと言えば、ステイシーはフィールドで簡易デバイスにゴリラの行動を打ち込んで、研究所に戻ってからPCに吸い上げて処理していることくらい。

「前の論文から深める点としては、まず、親子関係のDNA鑑定をしていることですね。複オスの群れだと、すべての子どもが優位のシルバーバックの子どもだとは限らない。劣位のシルバーバックもこっそり交尾するのは観察されていますから。親子関係を確定してそれが行動に反映するか見たいですね」

 なお、観光ゴリラのトレッキングに参加すると、出会う群れの家族構成をプリントアウトしたものを見せてくれる(個々のゴリラの写真撮影者は、森啓子さん!)。それには母子関係はもちろん、父子関係も明記されているのだが、実は「この母子は、わりとこのシルバーバックの近くにいる」といった観察から、トラッカーが推測しているレベルなのだそうだ。

観光ゴリラの家族構成を示したプリントアウト(左)。ゴリラの写真のクレジットに森さんの名前がある(右)(写真クリックで拡大)