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日本の百年

- JUNE 2012 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

日本を支えたクスノキの森

 クスノキの森が広がる南九州の山麓で、木製の装置がさかんに蒸気を上げている。「バーボンの蒸留にあらず」と紹介されたこの光景、実は樟脳(しょうのう)の製造所である。チップ状にしたクスノキを甑(こしき)(蒸し桶)に入れて水蒸気蒸留すると、樟脳の白い結晶がとれる。撮影したM・A・ヒューバーマンは、GHQ(連合国軍総司令部)林業部のスタッフ。戦後、占領下の日本で全国の山地を訪れ、林業と森林資源の調査を行った。


 樟脳は江戸時代から日本の重要な輸出品だった。香料や防虫剤、医薬品に使われたほか、明治に入ってセルロイドが工業化されると原料の樟脳の需要が急増。日清戦争後にクスノキが豊富な台湾を統治した日本は、専売制を導入し巨利を博した。その後プラスチックなどの登場で生産が激減。一時は風前の灯(ともしび)となったが、最近、国産材を活用した持続可能なものづくりとして天然樟脳を見直す動きもある。

M. A. HUBERMAN

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