パプア・ニューギニア沖で水深4000メートルのテスト潜航を行うディープシー・チャレンジャー号(写真クリックで拡大)
Photo by Mark Thiessen/National Geographic

 ナショナル ジオグラフィック協会は、映画『タイタニック』や『アバター』の監督として知られ、ナショナル ジオグラフィック協会付きの探検家でもあるジェームズ・キャメロン氏が、同協会とロレックス社の協力を受け、世界で最も深いマリアナ海溝の潜水調査に挑むことを発表しました。

 プロジェクト名は「DEEPSEA CHALLENGE(ディープシー・チャレンジ)」。
 キャメロン氏は今後数週間のうちに、特別に設計された一人乗りの有人潜水艇「DEEPSEA CHALLENGER(ディープシー・チャレンジャー)号」で、太平洋のグアム島南西320キロにあるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵(水深1万1000メートル)へ潜航。海底に6時間滞在し、海洋生物学、微生物学、宇宙生物学、海洋地質学、地球物理学の研究に役立つサンプルを採集する計画です。

 これまで有人の潜水艇がチャレンジャー海淵に到達したのは、1960年に「トリエステ号」に乗った米国のドン・ウォルシュ海軍大尉とスイスの海洋学者ジャック・ピカールが海底に約20分間滞在したのみ。有人艇が世界最深の海底で科学調査を実施するのは、今回が世界初の取り組みとなります。

 今週、パプアニューギニア沖で、ディープシーチャレンジャー号のフィールド試験が実施され、現存する有人潜水艇としては最深記録となる水深8000メートルへの潜航に成功しました。

ジェームズ・キャメロン氏(映画監督/ナショジオ探検家)とディープシー・チャレンジャー号
Photo by Mark Thiessen/National Geographic
オーストラリア沖でテストのために海に降ろされるディープシー・チャレンジャー号
Photo by Mark Thiessen/National Geographic

 「深海の海溝は、地球に残された最後のフロンティアであり、通常行われる探検の100年分に相当する豊かな科学的成果が期待できます」とキャメロン氏。「125年にわたってこの世界を探検し続けてきたナショナル ジオグラフィック協会は、深海の探検と調査にとって新たな時代を導く理想的なパートナーです。私たちの目的は、将来の世代に科学的な遺産を残すことです。世界中の人々が、インターネットや私たちが製作する映像などを通して、私たちと一緒に深海を探検してくれることになるでしょう」

 今回の調査は3Dで記録され、ナショナル ジオグラフィック誌やナショナル ジオグラフィック・チャンネルで紹介される予定。
 プロジェクトの進展はウェブサイト、ツイッター、フェイスブックで随時発信します。
(ウェブサイト) www.DEEPSEACHALLENGE.com
(ツイッター) @DeepChallenge
(フェイスブック) https://www.facebook.com/deepseachallenge.

 ジェームズ・キャメロン氏はこれまで15年以上、33回にわたって大西洋の深海に沈んだ豪華客船タイタニック号を有人潜水艇で訪れ、潜水調査してきました。
 『ナショナル ジオグラフィック日本版』2012年4月号では、キャメロン氏が撮影したタイタニック内部の光景ほか、難破船の全貌を初公開します。タイタニック号に唯一乗船した、事故を生き残った日本人、細野正文さん(細野晴臣さんの祖父)の手記も紹介します!