詩にも歌われたアラビア半島の豊かな海。地域一丸となって海を守る取り組みが今、始まった。

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アラビアの海を慈しむ

詩にも歌われたアラビア半島の豊かな海。地域一丸となって海を守る取り組みが今、始まった。

文=ケネディ・ウォーン  写真=トマス・P・ペシャック

 中東といえば、まず思い浮かぶのは砂漠や石油、政治動乱かもしれない。だが、アラビア海や紅海、ペルシャ湾など、アラビア半島をとりまく海は、実は豊かな生命の宝庫なのだ。現生で最大の魚類であるジンベエザメが悠然と泳ぎ、ジュゴンやウミガメ、ウミヘビも生息。サンゴ礁の花園は、カラフルな魚たちで華やいでいる。

 アラビアの人々はかつて、季節ごとに吹く風を帆にはらみ、ナツメヤシや真珠を満載した船で南をめざし、絹や白檀、スパイスを積んで帰ってきた。たいていの人は先祖をたどれば、船長や船乗り、真珠採りや船大工がいるという。そうした海の民としての記憶は現代の暮らしの中で薄れつつあった。だが近年になって、海とのきずなを取り戻し、海の生態系を守ろうとする動きも始まろうとしている。

編集者から

 アラビア半島にも海女(あま)さんがいた!? いえいえ、正確には海女ではなく、「男性の真珠採り」。かつてアラビアの海では7万人もの男たちが海に潜り、ダイヤモンドに匹敵する価値のあった天然真珠を採集していたそうです。特集では触れていませんが、アラビアの真珠産業が衰えるきっかけとなったのは、ほかでもない日本の三重県で真珠の養殖が成功し、価格の安い真珠が世界に出回るようになったことだとか。それはさておき、この特集で注目してほしいのは個性豊かな海の生き物たちと、海を守る地域の取り組みです。フカヒレ目的のサメの乱獲など暗い面も含めて、アラビア半島のイメージが変わりますよ。(編集M.N)

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