アフリカ南部で横行するサイの密猟。アジア向けの漢方薬ビジネスの闇を取材した。 

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サイの悲鳴

アフリカ南部で横行するサイの密猟。アジア向けの漢方薬ビジネスの闇を取材した。 

文=ピーター・グウィン 写真=ブレント・スタートン

 闇夜にライフルの銃声が響く。――クロサイの親子の命が危ない! 子サイを連れた身重の雌の後を追うように、森の奥へと続く人間の足跡に、ジンバブエのレンジャーたちは警戒心をつのらせた。

 アフリカでは近年、サイの密猟が急増中だ。ここ6年間で1000頭を超すサイが殺され、南アフリカ共和国だけで昨年200人以上の逮捕者が出るなど、非情な戦いが夜ごと繰り広げられている。密猟のターゲットは、漢方薬として珍重されるサイの角。ベトナムを中心とした闇市場で取引され、金の2倍以上の高値がつくこともある。

 漢方薬ビジネスが招いたサイの悲劇。密猟者が暗躍するジンバブエと南アフリカ。さらにはサイの角、最大の消費地ベトナムで、その最前線を取材した。

編集者から

 ナショジオの誌面には残酷な現実をストレートに伝えようとする写真が多く登場しますが、今回もかなり衝撃的な光景がとらえられています。根こそぎ角を切りとられ、何発も銃弾を受けて肩の骨が砕けたために安楽死させるしかなかったサイの姿は、見るたびに胸が痛みました。根元を残しておけば、サイの角は2年ほどで元通りに伸びるのに、密猟者はえぐるように角を取ってサイを傷つける。サイを取り巻くそんな悲惨な現実と、カフェでサイの角をすって水に溶かしているベトナム人女性の陽気な姿との対比には、深く考えさせられるものがあります。(編集M.N)

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