第2回 「知能指数は80%遺伝」の衝撃

「バイオリンのスズキ・メソードってあるでしょう。創始者の鈴木鎮一は、我が国が生んだ幼児教育の天才だと思うんですね。それこそモンテッソーリやペスタロッチといった人達と同じレベル。子どもの頃から母語を話しかけるのと同じように、周りでバイオリンを弾いて遊んであげる。そして、超一流の作曲家の曲を超一流の演奏家が演奏するのをいつも聞かせてやれば、美しい心が子どもの中に育っていくという、すごく楽天的な考え方。でも実際、天才しか弾けないと思われていたバッハやビバルディのコンチェルトを6歳、7歳のどこにでもいる子どもに弾けるようにさせてしまったわけで。彼の言い分を聞くと、環境を完璧にコントロールできたら、どんな能力でも育っちゃうんじゃないかと思えたわけです」

 ちなみに、スズキ・メソードのスローガンは、「どの子も育つ 育て方ひとつ」「人は環境の子なり」だそうだ。安藤さんはこれをアカデミックに基礎づけたいと思って、大学院に入ったという。まさにピッカピカの環境派、である。

 しかし、大学院での指導教官だった教授から行動遺伝学の本を紹介され、衝撃を受けた。