第2回 「知能指数は80%遺伝」の衝撃

「一卵性と二卵性の区別をした上での観察は、20世紀の前半、1920年から30年代ぐらいには方法論としてはできていました。まずはドイツで、これはもちろんナチスなんですけど、人種政策に反映される優生学の基盤になった残念な研究。それから1940年代ぐらいからアメリカでも研究が始まります。特に1970年代以降、行動遺伝学会というのができて、テキストもたくさん書かれ、一つの学問領域として確立されました」

 初期の双子研究が、優生学やナチスの人種政策、優生政策に寄与した、というのはとても重要な論点。安藤さんも、常に、どう相対するか、どうすれば乗り越えられるか、考え続けているという。ただ、それについて詳しく語ろうとすると、単純には済まない。というか、本一冊書いても足りないだろうし、ぼくにその能力もない。この種の研究が「悪用」されてしまいかねないダークサイドの面について留意しつつ、今はこの流れのまま、安藤さんと行動遺伝学との出会いに進みたい。

 ちなみに、安藤さんは、教育学の学生として、最初は「遺伝よりも環境こそ大事」とする、「ピッカピカ」の環境派だったという。