第17回 祝・辰年! 龍の顔をもつ昆虫

 2012年は辰年ということで、辰にちなんだ写真はないかと去年から構想をねっていた。「う~ん・・・」

 先日、半年ほど前に撮影した写真をパソコンで流し見していると、「ん!これはなんか龍に似てる!」と上の写真でマウスが止まった。もちろん本物の龍は見たことがないけれど、小さい頃から絵や作り物を見てきたので、この写真を見た時、ビビッときたのだろう。

 この昆虫は、第7回の「ワニ頭の昆虫の“マチャカ”伝説」でご覧いただいた、ユカタンビワハゴロモの仲間で、こちらはワニの頭ではなく、なんと龍の顔!

 そして、第8回の「甘いオシッコに集まってくるのは?」に登場したビワハゴロモと同じように、この「龍」ビワハゴロモにもカタツムリたちが甘露オシッコ(糖分を含んだ液体の排泄物)を頂戴しにやってくる。

 話はがらっと変わるけど、10年ほど前からたまっている標本などを「今年こそは整理せなアカンなぁ~」と毎年言っている自分に反省。

 本年もどうぞよろしくおねがいします。

フリクトゥス・キンケパルティトゥスというビワハゴロモ(カメムシ目:ビワハゴロモ科)
Lantern bug, Phrictus quinquepartitus (Hemiptera: Fulgoridae)
夜行性で、昼間はこのように、大木の幹の下の暗い部分に集まって休んでいる。うま~く苔に溶け込むような模様をしているので見つけにくい。最初の「龍の顔のような」写真は、このビワハゴロモの頭部から胸部の接写。
体長:約4cm 撮影地:プエルト・ビエホ・デ・サラピキ、コスタリカ(写真クリックで拡大)
西田賢司

西田賢司(にしだ けんじ)

1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学で蝶や蛾の生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html