20年以上にわたって双子を研究してきた米国の心理学者ナンシー・L・シーガルに、「双子とテレパシー」「性的指向」といった素朴な疑問をぶつけてみた。

Photograph courtesy Dr. Nancy Segal

――人々は、なぜこんなにも双子に興味をもつのでしょうか?

 私の場合は、自分自身が二卵性双生児であることが関係していると思います。私たち姉妹は幼い頃からまったく似ておらず、私はいつも、その違う部分に強い関心を抱いていました。

 欧米の文化では、個人の力や才能に価値が置かれますから、双子、とりわけ一卵性双生児に出会うと“あるべき”状態に反している気がするんでしょうね。それから、うらやましいという気持ちもあるのかもしれません。双子は、自分を完全に理解してくれるソウルメイトを持っていると考えられてますから。これは、誰もが願うことじゃないでしょうか。

――双子はお互いに必ずソウルメイトなんですか? それとも、それは単なる“神話”でしょうか?

 たいていの場合、一卵性双生児は二卵性よりもずっと結びつきが強いです。一卵性双生児の多くは互いの絆がきわめて深く、他の兄弟と比べてけんかが少ない傾向にあります。以前、双子の片方が亡くなったときの残された方の悲しさを調査したことがありますが、配偶者を亡くしたときの悲しみに匹敵するという結果が出ました。これは一卵性にも二卵性にもあてはまりますが、一卵性の方がより悲しみが強い傾向にありますね。

――そもそも双子はどれほど珍しいのでしょう?

 一卵性双生児は、どちらかといえば珍しいといえるでしょう。欧米諸国で自然に双子が生まれる確率は80回の出産に対して約1回の割合で、一卵性はさらにその3分の1にすぎません。もっとも米国では、体外受精など生殖補助医療(ART)の増加に伴い、二卵性双生児の誕生が劇的に増えています。一卵性双生児が誕生する割合は世界のどこでも大体同じです。ただし最近の研究で、家系によっては遺伝的な要素が関係している可能性があることがわかってきました。