第12話 シュバオン救出事件

 羊の勉強のために観光牧場で学んだことは、すぐにも実践に移した。

 要するに、牧羊犬たちが、人間の言うことを聞くのは、人間と一緒に働く喜びを感じているからだ。

 観光牧場の犬たちは、「羊を集めてきたよ。褒めて、褒めて!」と、シッポふりふりして、指示を出した人間の方も、「よしよし、いい仕事をしたな」と、たくさん褒めてやっていた。

 ご褒美の餌ではなくて、褒められる喜びのために、犬たちは一心に人間の言うことをきく。

 私も我が牧場の三匹の牧羊犬たちを、めいっぱい褒めてやろうと、意気揚々で帰ってきて、犬たちの顔をくちゃくちゃになるまで撫でてやった。

 けれど、
「なにすんだよ~」という顔をしている。

 三匹を羊たちの放牧地に連れて行って、観光牧場で見てきた通りをやってみた。

「よし、そっと羊の後ろにつけ!」ぴゅ~! ぴゅ~! ぴゅ!(口笛ね)
 はぁ~、……相変わらず、ウサギを追って行ってしまった。

『今日も牧場にすったもんだの風が吹く』 廣川まさき著

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