カナダ西部、スピリット・ベアの森に、大規模なパイプラインを建設する計画が持ち上がっている。

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楽園を脅かすパイプライン

カナダ西部、スピリット・ベアの森に、大規模なパイプラインを建設する計画が持ち上がっている。

文=ブルース・バーコット

 スピリット・ベアなど、多様な生物が息づくカナダ西部の温帯雨林「グレート・ベア・レインフォレスト」。この手つかずの自然がいま、脅かされようとしている。石油を輸出するために、内陸のアルバータ州からパイプラインを引く計画が持ち上がっているのだ。

カナダのエネルギー大手、エンブリッジは、アルバータ州のオイルサンドから抽出された原油を輸送するため、アルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州の港町を結ぶ総延長1177キロのパイプラインを建設する計画を発表。中国をはじめとするアジア市場へ石油を運ぶためだ。パイプラインが建設されれば、グレート・ベア・レインフォレストの豊かな自然が脅かされるだけでなく、カナダの漁業にとって貴重な水域を超巨大タンカーが航行することになる。

 パイプライン計画は実現してしまうのだろうか。議論の焦点となっているグレート・ベア・レインフォレストを訪ねてみた。

編集者から

 また北米の話か――と思わないでください。このパイプラインで輸送されるのは、アルバータ州のオイルサンドから抽出された原油。その原油は超巨大タンカーに積み替えられ、中国などアジアに輸出されます。
 オイルサンドは、2009年3月号の特集に書かれているとおり、採掘によって環境に大きな負荷をかける資源です。日本の石油資源開発株式会社(JAPEX)も30年以上前からアルバータ州でオイルサンドの開発にかかわっていて、日本と無縁ではありません。遠い国の環境問題と思わず、日本のエネルギー問題として読んでもらえれば幸いです。(編集T.F)

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