第7回 イスラエルのシェフ、活躍する!

 「実はさ。“昔の彼女”に会いたいと思ってるんだけど」

 5大陸制覇がまだ終わらないうちに、突然、おやつ部長が不審な発言。部長。そういうプライベートな話に踏み込むのは遠慮させていただきます。

 「だからさ。“昔の彼女”って、ボクが昔食べた、めっぽう美味しいお菓子のことなんだよね」
 早くそう言ってください。頭の中で妄想が渦巻いちゃいました。

 なんでも、若かりし頃、エルサレムやシリアを旅行した際に出会ったお菓子が抜群に美味しくて、今でも夢に見るほどなんだとか。お菓子屋さんの店頭のガラスケースに並んでいて、旅行中は毎日のように食べていたらしい。

 「温かくて、甘いの。ちょっと酸味もあってね。理想の“女性”だったなぁ」
 昔のことはなんでも美しく思えるものですよね、部長、とちょっとイジワルな突っ込み。
 しかし、当時の旅行日記にもはっきりその感動を記してあるのに、肝心な名前が分からず。探そうにも、なんとも手掛かりのない“彼女”になってしまったらしい。

 「それがね。前に話を聞いた中東食品の輸入会社のコグチさんが、ボクが説明するお菓子の形状や味を聞いて、これじゃないかって教えてくれたんだよね! イスラエル料理のレストランのシェフまで紹介してくれてさ。そこでは、メニューには載せてないんだけど、“恋焦がれた”ボクのために今度、特別に作ってくれるんだって」

 おお! なんてミラクル。コグチさん、ありがとう。

隊員のおやつなつぶやき