昆虫採集兵器ノムラホイホイ(野村周平/甲虫研究者)

 カブトムシやクワガタを採るには普通、バナナをエサに使い、針金でボトルを樹幹に結び付ける(図4A)。オサムシやゴミムシには、釣具店で売っているさなぎ粉を使う(図4B)。シデムシやエンマムシにはトリガラを使う。腐らせたトリガラを直接入れると、ボトルが臭くなって次に使えなくなってしまうので、生のトリガラをビニール袋に入れて、その袋をボトルの中に入れ、中で腐らせると良い(図4C)。ゲンゴロウを採るには、煮干しを入れて、ボトルを池の中に浮かせておく(図4D)。

ノムラホイホイのエサの違いによる設置方法の違い.A:バナナ;B:さなぎ粉;C:腐肉(トリガラ);D:煮干し(写真提供:野村周平)
[画像のクリックで拡大表示]

 ノムラホイホイは昆虫採集の道具なので、一般の昆虫採集と同様のマナーを守って使わなければならない。先に示したように、昆虫採集が規制されている地域で無許可で使うのはNGである。池や田畑に設置するときは、その土地の所有者に断らなければならない。ノムラホイホイを設置したまま回収しないでおくと、後から後から虫が入って死んでしまうので、設置したトラップは必ず回収するのが鉄則である。バナナをエサにした場合、時折スズメバチが入っていることがあるので、刺されないように用心してボトルを開けなければならない。

 以上に示したようなマナーを守って使えば、身近な野山でもたくさんの昆虫がいて、子供達でも容易に触れ合うことができることに気付くはずである。ノムラホイホイのさらに詳しい情報については、ハネカクシ談話会ホームページ中の「ハネカクシ採集法としてのノムラホイホイ」に解説されている。

野村 周平(のむら しゅうへい/甲虫研究者)

国立科学博物館動物研究部、陸生無脊椎動物研究グループ所属。土や落ち葉の中にすむ甲虫、ハネカクシの仲間を調査するほか、昆虫のすぐれた性質をモノづくりに活かせないか研究する「バイオミメティクス(生物模倣)」にも取り組む。

特別展「昆虫」

本展では、世界に一点だけのヤンバルテナガコガネの「ホロタイプ標本」や、本展の開催に向けマダガスカルで発見してきた新種のセイボウ(青蜂)など、他で は見られない標本が展示される。またこの新種の名前に、選ばれた来場者の名前をつけて新種登録するキャンペーンも実施。昆活マイスター(オフィシャルサポーター)は無類の昆虫好きで知られる俳優の香川照之さんが就任し、香川さんが提案したコンテンツも展示される。

■会期:2018年7月13日(金)~10月8日(月・祝)
■会場:国立科学博物館
■休館日:7月17日(火)、9月3日(月)、9月10日(月)、9月18日(火)、9月25日(火)
■公式ホームページ:http://www.konchuten.jp