気象研究所「予報研究部」に所属する荒木健太郎さん。
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「よくテレビでゲリラ豪雨って言われるじゃないですか。あれって、気象関係者から見ると、悔しいんですよね。ちゃんと予測して警報を出した事例でも、夕方の番組でゲリラ豪雨と言われてしまうこともあるわけです。でも、考えてみてください。予測できないからゲリラなんですよ。ちゃんと予測しているのにゲリラと言われても釈然としなくて」

 積乱雲の予測と防災にまつわる話題を、荒木さんはこんなふうに語り起こした。

 ゲリラ豪雨というのは気象庁が定めた正式な用語ではない。突然降って、突然去っていくような、局地的な大雨のことを、予測できているかどうかに関わらずマスメディアでは呼んでいることが多い。

 これは、気象庁の言葉では、「局地的大雨」に相当する。「急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨」というのが定義だ。荒木さんは、もう一歩踏み込んで、災害をもたらしうる局地的大雨のことを、「局地豪雨」と呼ぼうと提唱している。

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 マスメディアでは、報道に値する一定の被害、たとえば都市での道路の冠水や浸水などをもたらすものでないと報道されないので、ことテレビなどで見るものについては、荒木さんがいう「局地豪雨」、つまり、「局地的大雨のうち、災害を発生させるもの」に相当するかもしれない。

 さらに気象庁には「集中豪雨」という言葉もあって、「同じような場所で数時間にわたって強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨」とされている。このレベルになると、土砂災害、河川の氾濫といった大規模な水害の原因となる。

 ちょっとこのあたり、用語がひとすじなわではいかないが、大気現象としては局地的であることには違いない。範囲と時間の要素を抜き出すと、局地的大雨は「狭い範囲」「数十分」で、集中豪雨は「同じような場所」「数時間」とされている。後者の方が範囲としては広く、長く降り続くと想定されている。

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