第5回 「ゲリラ豪雨」の被害をできるだけ避けるには

関東平野で「対流の起爆」が起きる3つの仕組み。①は地形によって起こる場合。②は内陸に向かう海風同士が収束するケース。③はいったん出来た積乱雲のガストフロント同士の相互作用によるもの。①②③の順で予測は難しくなる。(『雲を愛する技術』(光文社新書)より)
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「──海風がさほど強くない状態ですと、茨城沖の鹿島灘や千葉の九十九里浜、東京湾、神奈川の相模湾などから別々に陸上に吹き込んだ海風同士が、内陸でぶつかって収束し、上昇気流が生じることで対流の起爆が起きることもありますね。こちらは山という地形に限定されないわけです」

「──いったん出来た積乱雲が、別の積乱雲に関与する場合があります。積乱雲は衰弱していく時に下降流が強くなるわけですが、その下降流が地表で吹き出すいわゆるガストフロント同士が、衝突したり融合したり交差したりすると、やはり上昇流ができて新たな対流の起爆が起きることがあります。またガストフロントと海風が作用することもあります。こういう場合、ひとつ前の積乱雲まで正確に予測できないといけなくなって、とても予測がむずかしくなるんです」

 山があって水蒸気を含んだ風がぶつかり「対流の起爆」が起きる場合、山という地形が特定される分、ちょっと予測が楽になる。しかし、海風が収束する場所や、ましてやすでにできた積乱雲の下降流が次の積乱雲の「起爆」にかかわる場合など、考えるだけでややこしい。