第5回 世界をきれいにするカラス、自然の物に巣をかけないツバメ

 川上さんが調査隊の一員として、噴火後の西之島を訪れたのは、2016年10月だ。無人島、それも、噴火によりすべてが一掃されてしまった後に最初の一歩を踏み出すのはやはりドキドキすることだろう。無人島のロマンここに極まれり!

2016年10月に調査した時の西之島。(写真提供:川上和人)
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「不用意に外から植物の種子などを持ち込むと、島の新しい生物相に影響を与えかねないので、靴や服、調査器具などは原則としてすべて新品を使いました。それも殺虫剤で燻蒸した部屋でパッキングして島につくまで開封しなかったものです。僕たち人間が運んでいってもいけないので、1週間くらい前から果物を断って、腸内からも種子がなくなるようにしました。それで、例によってボートから泳いで上陸するんですけど、それには海水で体と荷物を洗う意味があるんです」

 またもハードな探検隊的フィールドだ。

 そして、それに見合うだけの成果を得た。

「旧島で残っていた台地の部分も、噴火の影響がなかったわけではなくて、火山灰に覆われているんです。だからやはり何もなくなっちゃってるんですね。そこにやってくるパイオニアは、カツオドリとアオツラカツオドリでした。アオツラカツオドリは巣材すらなくても巣がつくれる種類です。カツオドリっておもしろくて、島に対する執着性が非常に強いんです。あれだけ噴火で攪乱(かくらん)されたにもかかわらず、いまだにあそこで生活し続けているんですから。旧島の部分だけでなく、新しく出来た海岸でもう繁殖を始めてます。その拡散スピードは、植物では出せないので、鳥ならではです」

西之島で営巣中のアオツラカツオドリ。(写真提供:川上和人)
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