アカコッコが土の中からアリを掘り出した。子育て中らしく、つがいと思われる別の1羽と餌を一日中運んでいた。写真家の江口欣照さんは、その熱心な子育てぶりにただただ感心したと話す。(写真:YOSHITERU EGUCHI)
[画像をタップでギャラリー表示]

アカコッコの地鳴き(1年を通して雌雄が発する鳴き声)を聞いてみよう。(音声提供:松田道生)

アカコッコのさえずり(繁殖期の雄が発する鳴き声)を聞いてみよう。(音声提供:松田道生)

 2000年7月8日、三宅島の雄山が噴火。その後、降灰や噴石、低温の火砕流が発生、火山ガスが大量に噴出し、住民は島外避難を余儀なくされた。

「バードアイランド」として知られる島の鳥も打撃を受けた。森林の約6割が枯れるなどの影響を受けたためで、地元で「アカッパラ」と呼ばれるアカコッコも減少したと考えられる。

 火山活動が終息し、住民の暮らしが戻って植生も徐々に回復するなか、アカコッコの数に変化はあるのか?2016年、日本野鳥の会保全プロジェクト推進室の手嶋洋子さんたちは島民と共同で調査を行い、島での生息数を推定。その結果は約7800羽。09年の調査での推定数より1.8倍ほど多くなっていた。

 調査でアカコッコが最も多く確認されたのは樹林で、次は畑だった。住民の帰島によって復活したアシタバなどの畑が、アカコッコにとって格好の餌場になっていると手嶋さんたちは考える。

 三宅島では、40年ほど前にネズミ駆除のためにニホンイタチが放たれ、その影響でアカコッコが減ってしまった。火山の島のアカッパラは、自然の猛威や人間が持ち込んだ脅威を生き抜き、さらに増えていくだろうか。

アカコッコ
Turdus celaenops

全長:23センチ
分布:伊豆諸島とトカラ列島
生息環境:照葉樹林や低木林、農耕地など。
食性:ミミズや昆虫、木の実など。
保全状況:野生で絶滅する危険性が高い。

この連載の前回の
記事を見る