白黒ついた小笠原最後の固有種

蜜を吸いに来たのだろうか、メグロがショウガ科のゲットウの花に嘴を近づける。(YOSHITERU EGUCHI)
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掲載した音声は、1年を通じて雌雄が発する「地鳴き」と呼ばれる鳴き声です。 (音声提供:簗川堅治)

 小笠原諸島が米国の統治下から日本に復帰して今年で50年。それを記念して発行される1000円銀貨に、1羽の鳥がデザインされている。小笠原に現存する唯一の固有種メグロだ。

 小笠原にはかつて、固有の鳥が4種いた。しかし、オガサワラガビチョウなどの3種は、入植が始まった1830年から半世紀余りの間に次々と姿を消し、メグロだけが残った。

 そのメグロにしても、聟島列島にいた亜種のムコジマメグロは20世紀半ばまでに絶滅したと考えられていて、生き延びたのは母島列島の亜種ハハジマメグロだけだ。

 メグロは何の仲間か?ヒヨドリ科、チメドリ科、ミツスイ科などと、これまで分類上の地位は二転三転してきた。この問題に白黒つけようと、1990年代半ばにDNAが解析され、マリアナ諸島南部にいるオウゴンメジロが最も近縁の種だと判明。こうして、メグロはメジロの仲間に入ることになった。

メグロ
Apalopteron familiare

全長:およそ14センチ
分布:小笠原諸島の母島、向島、妹島
繁殖:一雌一雄が基本、3~7月に繁殖。
食性:昆虫、果実、花粉などを食べる。
保全状況:国内希少野生動植物種。
豆知識:もともといなかったメジロが、愛玩用に持ち込まれて野生化し、現在はメグロと同じ森に生息する