第5回 美しい山を求めて登り続ける

――8000m峰の挑戦を終えて、山への思いや好みに変化はありましたか?

 いえ、何も変わっていないです。8000m峰14座を登り終えたというだけのこと。初めて山に登ったときからずっと、私は美しい山、美しい景色に魅力を感じて登り続けています。山頂を目指して山を登り、達成感とともに、山頂から眺める白く美しい山々の連なり、澄み渡った空、景色のすばらしさに心を奪われる……。そのとき私は自然からすばらしいプレゼントをもらっている、宇宙とつながっていると感じるのです。

――プロの登山家として、現在はどのような活動をしていますか?

 主な仕事は、私のこれまでの登山の経験をもとにしたプレゼンテーション(講演)です。14座挑戦やK2登山の体験談を通じて、登山のすばらしさ、目的達成の方法やリスク管理、モチベーションを保つことの重要性などを伝えています。また、ネパールの学校、病院、老人施設などの支援活動を行うNepalhilfe Beilngriesという団体とパートナーシップを持っていて、現在は2015年の地震によって壊れてしまった学校を再建する資金を集めるための講演やイベント活動を行っています。

――世界トップクラスの登山家であるゲルリンデさんに憧れる女性は多いと思います。女性の登山家と一緒に登山をするような計画はないのでしょうか?

 世界各国から、声はかけてもらっているのですが、現在、高所登山をする女性は少なく、なかなか機会がないですね。高所登山では何カ月も出掛けることになってしまうので、女性の場合はとくに家庭の問題が難しいと思います。また、多くの女性は寒さに弱く、女性特有の体調の変化もありますから、高所にトライする人には、体や心の状態を感じ取って、自分のペースで登ることを意識してほしいですね。