第4回 ネッシーに巨人の骸骨……ミステリーの捏造史

 イギリス南部の畑で目撃された謎の現象「ミステリーサークル」もまた、捏造の歴史を刻んでいる。

 ミステリーサークルの最初の報告例は1970年代半ば。単純だった模様は、時がたつにつれて手の込んだものになり、今では高等数学を思わせるものまである。発生地域も広がり、オーストラリア、南アフリカ、中国、ロシアなどでも報告されている。

 謎の一端は1991年に判明した。ダグ・バウアーとデーブ・チョーリーが、1970年代から80年代に目撃されたイギリスのサークルは自分たちが作ったと名乗り出たのだ。サークルのいわゆる“制作者”はこの2人だけではなかった。依頼に応じてサークルを作るジョン・ランドバーグ率いる「サークルメーカー」という非公式の集団まである。

 「クロッピーズ」という超常現象を研究するグループは、こうした制作者たちと論争を続けている。クロッピーズはミステリーサークルを人為的には作れないことを証明しようとしている。「セレオロジー」という新しい調査方法を駆使して超常現象の可能性と、地球外生命体によるものという説を調べているのだ。

 クロッピーズとサークルメーカーは時に激しくやり合うが、一方で共存関係にもある。前者がエイリアンの活動に警鐘を鳴らすと、後者に注目が集まり、彼らの宣伝になる。逆に、サークルメーカーは神話を絶え間なく生み続けている。

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