第1回 地下金庫に隠された秘宝

――最初にアフガニスタン国立博物館について教えてください。

 アフガニスタン国立博物館は1922年、首都カブールに設立されました。アフガニスタンが英国から独立して3年後のことです。

 当時、アフガニスタンは王政の国で、博物館の収蔵品は王族が収集した宝物を母体としていました。国内外の考古学者がアフガニスタンの遺跡から発掘したものも多く、その数はイスラム以前(7世紀以前)のものでも10万点に達するほどでした。

――マスーディさんが博物館に勤務されたのはいつですか。

 1979年です。カブール大学文学部で歴史学を専攻し、1973年に卒業したのちは4年ほど高校教師をしていました。博物館に入ったのは、それからです。

 館長に就任したのは2001年で、2015年まで務めました。

――大学を卒業した1973年は、クーデターが起きて、アフガニスタンが王政から共和制に移行した年。博物館に入った1979年は、ソ連軍がアフガニスタンに軍事介入した年ですね。

 そうです。アフガニスタンの国情が、非常に不安定になったころです。ソ連軍が軍事介入してきてまもなく、ハッダ(アフガニスタン東部)の博物館が略奪、火災に遭っています。しかし、カブールの治安はそれほど悪くはなく、私のいた国立博物館が直接に被害を受けるようなことはありませんでした。

[画像のクリックで拡大表示]