第84回 あなたの風邪は寝不足から? 睡眠と免疫力の深い関係

(イラスト:三島由美子)
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 20代、30代の頃は「自分はかなり睡眠不足に強い」と思っていたのだが、40歳の半ばを過ぎたあたりから急速に自信がなくなってきた。睡眠不足の時に今回のタイトルにある「免疫力」に関連する問題が生じるようになったからである。

 睡眠時間が短くても眠気やだるさをあまり感じない、という意味では確かに私は睡眠不足に強い。今でも繁忙期に入ると2、3時間の睡眠時間で1週間くらいは平気で仕事を続けたりする(というか、やるしかない状況になる)。

 ところが、睡眠不足が1、2週間も続くとかなりの頻度で咳や痰などの風邪の症状に悩まされるようになったのである。さらに無理を重ねていると、夕方に「ザワッとした寒気」を覚え、てきめんに翌朝に発熱する。

 私の仕事のサイクルでは毎年11月から翌年3月頃にかけて最も忙しくなるため、当初は冬だから風邪を引きやすいのだろう、と考えていた。しかし、毎年のように同じような不調を繰り返し、また時にはほかの季節でも睡眠不足で風邪を引くに至って、睡眠不足と風邪引きとの因果関係についての疑いは確信に変わった。

 傍証もある。時差ぼけでも風邪を引きやすいのである。これもまた冬に限らない。国際学会に出席するため渡航した時などは会議だけではなく、知人に会って旧交を温めるなどイベントが多いほか、日本から舞い込む仕事も片付けなくてはならず、睡眠時間はかなり短めで過ごす。

 特に1週間以上も海外に滞在していると体内時計もかなり現地時刻に整って(同調して)しまう(第32回「時差ボケは忘れた頃にぶり返す」)。そのため、帰国後にも逆に時差ぼけが持続し、睡眠の質も低下しがちである。最近では海外渡航時にもなるべく日本時間に近い生活を送るように心がけているのはこのような理由による。

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