第28回 認知症と睡眠の切っても切れない関係

 先回は、睡眠障害のある認知症患者では夜間徘徊などさまざまな異常行動が増加する傾向があり、心理的にもコスト的にも介護負担を増大させている実情についてご紹介した。超高齢化社会ニッポン……、すでに国内の高齢者施設のキャパは飽和状態であり、今後は在宅介護を避けては通れない。家族が先にバテるなどといった悲劇に陥ることなく「持続可能な」在宅介護を可能にするためにも認知症の睡眠問題は看過できない問題なのである。

 そこで前回に引き続き、認知症と睡眠の切っても切れない関係についてもう少し掘り下げてみたい。認知症患者の睡眠問題の特徴を知れば、その対処法、予防法に関するヒントが得られるかもしれないからだ。

 一般の高齢者でも年齢とともに睡眠は浅くなり、途中で何度か目覚め、トイレ回数も増える。日中の眠気も強まり、昼間のうたた寝が増える。しかし認知症高齢者ではこれらの加齢変化がきわめて強く、重度の不眠や強い眠気が生じる。時には昼夜逆転など不規則な睡眠パターンに陥るが、これも健康な高齢者では見られない特徴である。ナゼ認知症患者ではこれほどまでに睡眠問題が重症化するのだろうか? そこには認知症に特有な3つのハンディキャップが悪さをしている。

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(イラスト:三島由美子)
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