第92回 寝不足でキレる! その「脳内変化」が分かってきた

(イラスト:三島由美子)
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 いつ頃からだろうか、キレやすい人が増えているという記事をよく見かけるようになった。最初は癇癪(かんしゃく)を起こしやすい子供が多くなった、ゲームばかりしているためではないか、などという話題から始まったような記憶がある。

 その後も誰かが何処かでキレたという話題は途切れることがなく、最近では、キレた高齢者が福祉サービスの人間にキリつけただの、キレた子供を叱った担任の先生にキレた母親が学校に怒鳴り込んでキーっとなっただの、ややこしい事件を聞いてもさほど驚かなくなった。隣国韓国でも、とある財閥の母娘がそろってキレたという話題もあった。いずれにしても、老若男女にかかわらず幅広い年齢層や社会階層で「キレる」という現象が見られるらしい。

 世間一般に言う「キレやすい」という現象の正確な定義は知らない。そもそもそのような定義があるか分からないのだが、私なりに解釈すると、キレやすい人物の特徴とは、1)遭遇した出来事に対して怒りが湧きやすい、2)その怒りの度合いが大きい、3)怒りが持続する、4)怒りが暴言や暴力などで表面化する、といったあたりだろうか。

 このような情動や行動を自分で制御できなくなる性格的特徴を生まれながらに持つ人は少数ながら一定数いる。そのために人間関係の破綻や暴力行為などの問題を生じる場合には「秩序破壊的・衝動制御・素行症群」と診断される。耳慣れない病名だと思うが、このような「キレやすい」性格も極端な場合には「病気」の一種とするのが現代の精神医学の考え方なのである。ただ、最近になってこの病気の患者が増加しているという話は聞かない。

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