第24回 朝型勤務がダメな理由

 第1に、この光位相反応は基本的に1日しか持続しない。「土日も含めて」毎日継続しなければ安定した朝型の睡眠習慣が維持できない。7割以上の人では体内時計周期が24時間よりも長いため、早起きの努力を怠れば寝起きの時間は自然に夜型にずれ込むようになっているのだ。特に夜型傾向が強い人では、平日5日間早起きを続けても週末に寝だめをしてしまうと睡眠リズムはあっという間に逆戻りしてしまう。早朝の光が寝坊(閉眼)でシャットアウトされるためである。平日に日銭を稼いでも、週末に休めばすっからかん、なのだ。

 第2に、休日も含めて毎日早起きを続けても、朝型の睡眠習慣が安定化するまでに時間がかかる。睡眠を支える深部体温やホルモンなどのさまざまな生体リズムが朝型勤務のスケジュールにしっかり同調しなければ早起きはできても早寝ができない。朝7時に起床していた人が、N氏を模範として朝5時に早起きしても、就寝時間が早起きの2時間分早まるのに3週間程度かかる。夜型が強い人はさらに長期間かかる。その間は睡眠不足に耐えなくてはならない。

 しかも、働き盛りの世代でN氏のように6時間睡眠で満足できる人は多くはない。百歩譲って睡眠時間を最低6時間確保するとして、若い世代で23時に寝つくのは体内時計の特徴や夜間照明の影響などでかなりハードルが高い(参考記事:第8回「眠気に打ち克つ力 その2 ―米国学会が若者に“寝坊のススメ”」)。

 第3に、実に残念なことだが救われるべき夜型の人ほど光による朝型シフト効果が出にくく、また休日に逆戻りしやすい。体内時計が後方へシフトする力が強いためで、エンドレスの努力が必要になる。そのため朝型勤務への適応度については夜型を中心に「落ちこぼれ」が出てくるだろう。夜型は決して少数派ではない。成人の3割は夜型である。気になる方は国立精神・神経医療研究センターが作成した睡眠医療プラットフォームを訪れていただきたい。自分のクロノタイプが何型なのか、一般成人の中でどの程度に位置するのか算出してくれる。

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