第71回 妊婦の生活リズムが胎児の成長にとって大切な理由

(イラスト:三島由美子)
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 育児経験のある方ならご存じだと思うが、生まれたばかりの赤ん坊は一日中寝たり起きたりを繰り返す。日中に何度も昼寝をし、夜中であろうとお腹がすくと目を覚まして泣き出す。寝ぼけ眼(まなこ)で夜な夜な授乳をしながら、筋違いと思いつつ隣で爆睡している旦那を小憎たらしく感じたお母さんも少なくないはずだ。

 一日中さざ波のように寝起きを繰り返す乳児の睡眠・覚醒リズムは、いつ頃から大人のように日中にしっかり目を覚まし、夜にはグッスリ眠るメリハリのある睡眠・覚醒リズムに変わるのだろうか。

 図はある乳児の出生直後から約半年間の睡眠表である。この睡眠表を眺めれば、生後、徐々に睡眠・覚醒リズムが形作られていく様子がよく分かる。出生直後から睡眠パターンの変化を見てみよう。

生後11日から26周(約6カ月)までの乳児の睡眠表
黒い横棒は睡眠時間帯。図中の「フリーラン」とは体内時計を24時間周期の昼夜サイクルに同調(時刻合わせが)できないために睡眠時間帯が日々遅れていく現象である。(シカゴ大学のKleitmanらのレポートから)(画像提供:三島和夫)
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 生後数カ月の間は睡眠、覚醒ともにせいぜい2〜3時間しか続かず、日に何度も睡眠と覚醒を繰り返す。睡眠時間帯も毎日ばらばらで決まった時間にまとまって眠ることはなく、睡眠・覚醒リズムがとても不規則であることが分かる。とはいえ(生後4週までの)新生児の一日の睡眠時間を合計すると16時間以上にもなる。

 その後、成長とともに睡眠時間は短くなりながら、徐々に夜間に集中するようになる。16週頃(4カ月頃)には、おおむね夜間に眠るようになり、一回の持続時間も長くなる。昼寝も短くなり、昼夜リズムがはっきりしてくる。それでもこの時期はまだ睡眠時間帯が不安定である。

 生後24週頃(6カ月頃)になるとさらに昼夜のメリハリが明瞭になり、寝つく時刻、目覚めの時刻も安定してきて、睡眠・覚醒リズムがほぼ完成する。夜中に目覚めることも少なくなりお母さんもようやく楽になる。この頃の睡眠時間は14時間ほどである。

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