(イラスト:三島由美子)
[画像をタップでギャラリー表示]

 このコラムでは何度も登場している不眠症。80種類以上ある睡眠障害の中でも最も患者さんが多く、日本では成人の6〜10%が罹患していて、その半数以上は病院で処方された睡眠薬を服用している。いずれの先進国でもほぼ同様の調査結果が出ていて、社会の高齢化とともに不眠症は徐々に増加傾向にある。つまり不眠症は糖尿病や高血圧などと同様に代表的な「ありふれた病気(common disease)」の1つである。

 ありふれているだけに不眠症の社会的影響は大きい。短期的には眠気や疲労感によって生活の質が低下し、中長期的にはうつ病や生活習慣病、認知症など多くの病気のリスクを高める。医療経済学の分野でも不眠症は産業事故や生産性の低下、医療費増大など社会的コストを押し上げる要因の1つとして注目されている。

 最近、この不眠症を2つに分けようと提案している研究者たちがいる。それぞれ病気の辿る経過や結末(予後)も異なり、治療法も変えるべきだという。

 これは一体どういうことだろうか。

 不眠症とは文字通り夜中に眠れなくなる病気だが、人によってかなり症状の色合いが異なる。従来から、不眠症はそのメカニズムにより大きく3つのタイプに分けられていた。

次ページ:どう違う? 不眠症の3つのタイプ

おすすめ関連書籍

朝型勤務がダメな理由

あなたの睡眠を改善する最新知識

「ためしてガッテン」などでおなじみ、睡眠研究の第一人者が指南!

定価:本体1,400円+税

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る