第68回 頭も体も測定機器だらけ、睡眠研究ってココまでやるの!?

 前回は人の睡眠や体内時計の特徴を正確に知るために必要な“異時間空間”とも言える隔離実験室の様子についてご紹介した。そこで今回は、実際に隔離実験室の中で行われている具体的な実験手法について触れてみよう。そこでは睡眠脳波、眠気、体温、ホルモン分泌などさまざまな生体機能を測定するために頭や顔や体がコードと接着テープ、バンドだらけになっている人々がいる。

これは光環境と生体リズムの関係を調べる実験での様子。(写真:三島和夫)
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 まず睡眠の質や異常の有無を判定するために「睡眠ポリグラフ検査(Polysomnography; PSG)」が行われる。まさにこの原稿を書いている晩もある新しい睡眠研究用デバイスの性能を調べるためにPSGを行っている最中である。

(写真:三島和夫)
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 Poly(多チャンネル)-somno(睡眠)-graphy(記録法)の名前の通り、PSGでは睡眠中の脳波、眼球運動、顎や手足の筋活動、心電図、胸や腹の動き、鼻からの呼気流量など多くの生体機能を測定する。これらの記録はレム睡眠とノンレム睡眠の区別、睡眠の深さを調べるだけではなく、さまざまな睡眠障害の鑑別診断にとってどれ1つとして欠かすことができない。

 睡眠状態は翌日の日中(覚醒時)の眠気や体調にダイレクトに影響する。例えば、睡眠障害では夜間睡眠そのものも大事だが、実生活では日中の眠気や脳機能が障害されることが最も問題になる。そのため、睡眠検査と日中検査はセットで調べることも多い。

 日中の眠気を調べる一番オーソドックスな方法は「反復入眠潜時検査」と呼ばれるもので、日中2時間おきに4回または5回にわたって、暗室で脳波、眼球運動、筋電図を測定し、入眠するまでの時間(入眠潜時)を計る。入眠潜時を繰り返し測定する理由は、眠気の日内変動を正確に捉えるためである。

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