特別展「深海2017」に行ってみた。 写真17点

「〈第4章〉深海と資源」は、メタンハイドレート、石油、レアアース、レアメタル、そして生物資源などの探査や利用技術にまつわるものでした。国土の面積は世界61位とそれほど広くないけれど、島国をぐるりと取り囲んだ海の排他的経済水域の面積は世界第6位。海底に眠る膨大な資源をもし利用できればとても有利です。ただ、石油とかレアアースとかの展示はあまり写真映えしないので、ここではこれを取り上げましょう。

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 足のあるロボットみたいにも見えるかもしれませんが、別に歩き出したりはしません。なんと鉱物の「養殖装置」です。海底から噴出する熱水には、微量ながらさまざまな金属が含まれています。その金属を沈殿させて採取する目的で開発されました。現在はまだモニタリングの段階だそうですが、「養殖もの」の鉱物なんてぜひ見てみたいものです。

 ところで、みなさんはいま海がだんだん酸性化していることをご存じでしょうか。「〈第5章〉 深海と環境」では、深海の海流と並んで、この海洋酸性化に焦点が当てられています。原因は、化石燃料を燃やして発生した二酸化炭素の3分の1を海が吸収しているから。そして、酸性化が進むと甲殻類やサンゴ、貝などが硬い殻を作れなくなる恐れがあります。

 そこで、海洋酸性化が実際に生物に影響を与えるのかを調べるために、過去に同じく急激な海洋酸性化が起こっていた5600万年前の地層を掘ってみたそうです。その成果がこちら。

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 海底にすむ「有孔虫」の拡大模型です(本物はガラスの皿やビンに入っている小さいほう)。海洋酸性化によってやはり骨の密度が低下し、サイズも小さくなっていたことが明らかになりました。

 さて、深海2017もこの「〈第6章〉 深海を調査する機器」で最後です。さまざまな調査船や調査ロボットが並ぶなか、やはりこれでシメたいと思います。

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 有人潜水調査船「しんかい6500」のコックピットです(実物の1.5倍サイズ)。いくらロボットの性能が高くなっているとはいえ、やはり有人探査は夢がありますよね。直径2メートルの球形で、定員は3名、1回の潜行時間は8時間まで。カットモデルのおかげで、中の様子がよくわかりますし、間近で見れば乗った気分になれるかも!? 

 以上、駆け足で紹介しましたが、総合監修者のお二人が言うとおり、とても力のこもった素晴らしい特別展でした。ぜひみなさんも直接ご覧になってみてください。そして、最後にひとこと言わせてください。やっぱり深海はおもしろい!

「深海2017~最深研究でせまる”生命”と”地球”~」は2017年10月1日まで開催しています。

公式サイト:国立科学博物館特別展「深海2017~最深研究でせまる”生命”と”地球”~」

(Web編集部S)

※当初「しんかい6500」のコックピットを「実物大」と表記いたしましたが、正しくは1.5倍でした。訂正してお詫びいたします。