特別展「深海2017」に行ってみた。 写真17点

 深海がなぜ「生命起源」と関係あるのかというと、深海底の熱水噴出孔で生命が生まれたという説が生命の起源の有力な仮説のひとつとされているからです。詳しくは深海熱水起源説を証明しようと奮闘するJAMSTECの高井研さんによる連載「青春を深海に賭けて」をお読みください(長いですが)。

 深海底で熱水が湧き出るところには、煙突のような岩ができます。これがチムニーの再現模型。

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 チムニーはさまざまな生物のエネルギー源となるため、写真では右下のハオリムシやオハラエビなどが密集していることが多いですが、通称「スケーリーフット」のウロコフネタマガイもそのひとつ。

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 とりわけこの白いタイプは2011年に高井研さんらが最初に発見しました。そのときの貴重な映像は「青春を深海に賭けて」の「その瞬間、全身に稲妻が走った」の回で見られます。

 展示スペースのおよそ3分の2を占める第2章の「深海と生物」。当然、ほかも見どころたっぷりなのですが、キリがないのでこのへんで。残る「〈第3章〉 深海と巨大災害」から「〈第6章〉 深海を調査する機器」までは、それぞれからひとつずつ選んでみました。一気に紹介します。

「深海と巨大災害」では「3.11」の大地震、東北地方太平洋沖地震の研究成果を中心に展示しています。奥に見えるのは有人潜水調査船「しんかい6500」ですね。

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 実は、「3.11」と同じような規模の大地震は世界各地で定期的に発生しています。それでも、「日本で起きたからこそここまで理解できた」とJAMSTECの藤倉克則さんは解説していました。その象徴とも言える資料がこれ。

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 水深約7000メートルの海底から、さらに地下およそ850メートルまで掘り進んで採取した地震が起きた断層そのものです。この「奇跡のコア(試料)」を採集できたおかげで、断層がとてもすべりやすかったことをはじめ、地震の性質やメカニズム関係することまで、さまざまなことが明らかになりました。→「3.11津波、巨大化の原因は滑りやすい粘土層であることを解明」

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